法人設立のご挨拶
投稿日: 2016/12/27 1:09:48
2016年12月27日に一般社団法人ビブリオバトル協会設立のプレスリリースを行いました.
ここに,当協会の代表理事・谷口忠大よりご挨拶申し上げます.
ビブリオバトルは「人を通して本を知る,本を通して人を知る」のキャッチフレーズで親しまれる日本初の「本の紹介ゲーム」です.
ビブリオバトル公式ルール
1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
2. 順番に一人5分間で本を紹介する.
3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
4. 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.
一般社団法人ビブリオバトル協会(Bibliobattle Association)は,ビブリオバトルの普及を通して,世の中のコミュニケーションや知識共有,人々のつながりを活性化させることを目的とし,設立する運びとなりました.これまで,ビブリオバトル普及委員会は任意団体としてビブリオバトルの普及活動を推進してまいりましたが,この運営を主たる事業とし,一般社団法人ビブリオバトル協会が新たに誕生いたします.
ビブリオバトルは2007年に当法人代表の谷口忠大により考案されて以降,2010年にビブリオバトル普及委員会(任意団体)が設立され,今日に至るまで急速な広がりを見せてきました.2010年より東京都が主催したビブリオバトル首都決戦は2014年より読売新聞社に継承され,全国大学ビブリオバトルとして全国で228予選会,1200人を超える発表参加者を得るに至りました(ビブリオバトル普及委員会は共催).また,2012年にはLibrary of the Year 2012 大賞を受賞し,全国の公共図書館,学校図書館へと普及していくとともに,文部科学省「第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」において"大学,地方公共団体,図書館等で広がりつつあるが,こうした取組が全国に普及することが望まれる。”として言及され,教育の世界にも大きく広がって来ています.2016年度より中学校の国語教科書にも掲載され始めています.
地域的な広がりに関しても,2013年に日本においてはビブリオバトルの全都道府県での開催が確認された後も,全国各地での多様な開催が精力的に続けられています.昨今では,国内のみならず,台湾,シンガポール,アメリカ,韓国等の海外での開催も次々と報告されており,ソロモン諸島にて青年海外協力隊として滞在する青年が現地の子供達とビブリオバトルを毎週のように開催し,現地の文字活字文化の普及と教育に貢献しているという事例も報告されています(Bibliobattle of the Year 2016大賞受賞).国内外を問わないビブリオバトルの大きな広がり,そして可能性が「肌に感じられる」状況が続いています.
一方で,教育のおけるビブリオバトルの活用をどのようにすべきかに関して各校での試行錯誤,図書館における効果的な活用方法の共有,ネットメディアやサブカルチャーとの有機的で創造的なコラボレーション,ビブリオバトルの普及度合いの地域格差の解消など,対応すべき問題やチャレンジも大きく拡大して参りました.
ビブリオバトルの魅力は「人を通して本を知る,本を通して人を知る」というキャッチフレーズで象徴されるように,読書推進のみならず,街の中,組織の中に,新たなコミュニケーションの場をつくり,コミュニティを形成し,知識の循環を実現していく点にあります.その可能性は「汲み尽くされた」というには程遠く,まだまだビブリオバトルの活用や広がりには無限の可能性があります.
上記のように,ビブリオバトルの活用は地域的(都道府県,海外)にも,コミュニティ的(会社,学校,図書館,書店,PTA,家庭,読書会,など)にも,まずます広がりを見せており,そのような中で,これまでのボランティアでの普及活動を支えてきたビブリオバトル普及委員会もあらたな体制の構築が求められて参りました.そこで新たに,一般社団法人ビブリオバトル協会を設立し,ビブリオバトル普及委員会の運営母体とするとともに,各地におけるビブリオバトル普及や活用に関わるニーズにより的確に,より迅速に,より効果的に,より創造的に対応できる体制づくりを進めていくこととしました.
一般社団法人として社会的責任ある立場を持つことにより,これまで以上に多くの団体や個人と関わりを持ち,助けられ,助けながら,よりよい社会を形作っていくために,ビブリオバトルに関わる活動を通して貢献していければと考えております.何卒よろしくお願いします.
2016年12月27日
一般社団法人ビブリオバトル協会 代表理事 谷口忠大